コラム
八重歯が下唇を傷つける原因とその対処法
はじめに
八重歯は日本では「チャームポイント」として可愛らしさの象徴ともされますが、一方で健康面ではさまざまな問題を引き起こすことがあります。その中でも「下唇を傷つけてしまう」という悩みは、想像以上に多くの人が抱えているものです。この記事では、なぜ八重歯が下唇を傷つけるのか、そしてどのように対処すべきかを分かりやすく解説します。
八重歯とは?
八重歯(やえば)とは、本来の歯列のラインから外れて斜めに生えたり、前に飛び出したりしている犬歯(糸切り歯)のことを指します。一般的には上顎の犬歯がずれて生えている状態が多く、日本人の骨格や顎の大きさの影響で比較的よく見られます。
八重歯が下唇を傷つける原因
ではなぜ、八重歯が下唇を傷つけてしまうのでしょうか?以下に主な原因を挙げます。
1. 歯並びの不正(不正咬合)
八重歯があると、咬み合わせ全体が崩れやすくなります。本来の位置に歯がないことで、上下の歯がかみ合うときに異常な力が働き、特に口を閉じたり話したりする動作で下唇に歯が当たりやすくなります。
2. 唇の動きと八重歯の位置の摩擦
笑ったとき、しゃべったとき、無意識に口を閉じているときなど、唇は常に動いています。飛び出した八重歯がその動線上にあると、日常的な動作で摩擦が起こり、結果として下唇が慢性的に擦れてしまいます。
3. 唇の内側の粘膜の弱さ
特に乾燥しやすい季節や体調不良時、唇の粘膜がデリケートになると、少しの接触でも傷ができやすくなります。八重歯があると、こうした時に小さな傷が繰り返しできてしまい、口内炎になることも少なくありません。
八重歯による唇の傷への対処法
八重歯によって唇が傷つく場合、その対処には大きく分けて「応急処置」「予防策」「根本的な治療」があります。以下に詳しく解説します。
1. 応急処置としてできること
- 口内保湿:ワセリンやリップクリームなどで唇の保湿を保つことで、摩擦を軽減できます。
- 口内炎用の軟膏を使用:ケナログなどのステロイド系軟膏は炎症や痛みを和らげてくれます。
- マウスガードの使用:一時的に柔らかい素材のマウスピースを作って、唇を保護するという方法もあります。
2. 予防策としての日常的な工夫
- こまめな水分補給:口の中が乾燥すると摩擦が強くなるので、水分補給をこまめに行いましょう。
- 口元を意識する:無意識のうちに口を噛んでしまう癖や、唇を巻き込んで閉じている場合は、意識的に改善することが大切です。
- 栄養を意識した食事:特にビタミンB群は粘膜の健康を保つために重要なので、積極的に摂取しましょう。
3. 根本的な治療方法
八重歯が原因の場合、最も効果的な対策は「歯並びの矯正」です。具体的には以下のような方法があります。
・ワイヤー矯正
もっとも一般的な方法で、歯にブラケットを取り付けてワイヤーで引っ張ることで歯列を整えていきます。見た目の影響はありますが、確実な効果が見込めます。
・マウスピース矯正(インビザラインなど)
透明なマウスピースを使って少しずつ歯を動かす方法です。目立ちにくく、痛みも少ないですが、自己管理が必要になります。
・外科的治療
極端に八重歯が飛び出している場合や、歯の生えるスペースが極端に狭い場合は、抜歯を伴う外科的処置が検討されることもあります。矯正歯科医師との十分な相談が必要です。
こんな症状があるときは注意
以下のような症状がある場合は、すぐに歯科や口腔外科を受診することをおすすめします。
- 唇の同じ場所に何度も傷ができる
- 出血や膿が出る
- 下唇にしこりのような硬い感触がある
- 唇の色が変わってきた
これらは単なる擦り傷ではなく、慢性的な刺激による炎症や腫瘍化のリスクも否定できません。早めの対応が大切です。
おわりに
八重歯は見た目の個性として愛されることも多い一方で、唇や口内にトラブルを起こすこともある存在です。特に下唇が傷つくという悩みは、放っておくと慢性化し、生活の質にも影響します。日常のケアとともに、必要に応じて専門医に相談し、根本的な改善を目指すことが大切です。
唇の健康を守るためにも、「見た目」だけでなく「機能面」からも八重歯と向き合っていきましょう。
当院では、歯並び無料矯正相談(カウンセリング)を行っています。
「自分の歯の状態は治療した方がいいのか」「まだ治療をするか決まっていない」「費用を確認してから検討したい」などお考えの方もお気軽にお問い合わせください。
無料相談のお問い合わせはこちらからよろしくお願いいたします。
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