一本だけ矯正はできる?部分矯正のメリット・デメリットや治療方法をご紹介
「一本だけ矯正したい歯があるけれど、ここだけ矯正はできる?」
「一本だけ出ている歯が気になるけれど全体矯正しなければいけないの?」
と気になっている方は多いのではないのでしょうか。
矯正治療といえば、全ての歯に矯正装置を付けて、期間や費用もかかる治療をする必要があると思っていませんか?
一本だけ矯正したい歯がある場合や、部分的に気になる歯並びがある場合は「部分矯正」という治療方法があります。
そんな部分矯正ですが、どんな歯並びでも治療できるわけではありません。
今回は部分矯正のメリットやデメリット、どんな歯並びを治療できるのかや治療方法を詳しくご紹介します。
■部分矯正とは
部分矯正とはその名の通り一部分だけ歯並びを整える矯正治療方法で、「ミニ矯正」と呼ばれることもあります。
「かみ合わせは問題ないけれど、一本だけ歯が出ていて気になる」
「少しねじれがある前歯を整えたい」
そんな要望に応えることが可能です。
どんな歯並びが治療できるの?
・前歯が重なっている
・歯が少しねじれている
・歯と歯の間にすき間があるすきっ歯
・一本だけ出たり引っ込んだりしている
このように、基本的には前歯1~2本のちょっとした歯並びのずれを整えることができます。部分的に治療を行うので、見た目の改善を目的としている場合がほとんどです。
部分矯正だけでは治せない場合もある
あなたが一本だけ矯正したいと思っていても、原因がかみ合わせや骨格にある場合もあります。根本的な原因から治療しないと歯並びの改善は見込めないと判断された場合、部分矯正ではなく全体の歯並びを整える矯正治療をおすすめされるでしょう。
また、歯のねじれや重なりが大きい場合も部分矯正では治療できない場合があります。
■部分矯正のメリット・デメリット
メリット
短期間で治療可能
全体矯正のように奥歯から歯並びを動かす必要はなく、一部分の歯を動かすことで歯並びを整えます。そのため、治療期間が短く済みます。
全体矯正が2年前後かかるのに比べて、部分矯正は6~8か月で治療が終わることがほとんどです。
歯を動かす期間が短いということは、通院回数も少なくなり、矯正装置による痛みや違和感を持つ期間も短くなります。
低価格で治療可能
全体矯正に比べて、必要となる装置や時間が少なく済みますので費用もリーズナブルに抑えることができます。
部分矯正の相場は約20万~50万です。全体矯正の費用相場は約70万~100万、裏側矯正では約100~120万といわれていますので、
治療方法や装置によって変わりますが全体矯正の半額程度で治療が可能です。
歯質を大きく傷つけずに済む
前歯の一部分の歯並びを整える治療法で、被せ物をする治療方法もあります。
しかしこの場合は自分の歯を大きく削って土台にして被せ物をします。
部分矯正でも歯を並べるスペースを作るために歯を少し削る場合があります。
しかし、歯と歯の間をほんの少し削るだけで歯質を大きく傷つけることはありません。
部分矯正なら自分の歯を残しながら気になる歯並びを整えることができます。
デメリット
改善できる歯並びに制限がある
部分矯正では部分的に歯を動かして歯並びを整えます。
そのため、歯を動かせる範囲も狭く、適応できる歯並びにも制限があります。
かみ合わせの治療は難しい
部分矯正では全体のかみ合わせの改善は期待できません。
一部分の歯並びが整ってもかみ合わせが悪い状態だと、他の歯に負担がかかったり、後戻りしやすくなったりする場合があります。
骨格的な改善はできない
かみ合わせ同様に、部分矯正で骨格的な原因による歯並びの改善は難しいでしょう。
骨格的なずれがある場合は、全体矯正の検討をおすすめします。
■部分矯正の治療法
マウスピース矯正
透明で見た目が目立たないマウスピースを装着することで歯並びを整えていきます。
食事と歯みがきの時間以外、1日20時間以上マウスピースを装着することで歯に力が加わり歯が動きます。
部分矯正だけではなく抜歯などを行うような全体矯正にも対応しています。
ワイヤー矯正
歯にブラケットを装着し、ワイヤーを通して歯並びを整えます。ほとんどの歯並びに対応できる一番メジャーな矯正方法です。
見た目が気になるという方には裏側矯正といって、裏側に装置を装着して人に気付かれずに歯並びを整える方法にも対応可能です。
■まとめ
部分矯正は「一本だけ歯並びが気になっていたけれど、全体矯正には抵抗があった」という方には特におすすめの治療方法です。
費用や治療期間などの負担も軽く、気になる歯並びを整えることができます。
ただし、部分矯正で治療を行える歯には条件があります。
また、見た目のみを整えることができても、奥歯のかみ合わせがしっかり合っていない、骨格的な原因がある場合には、根本的な改善にならないケースもあります。
半端な治療を行うと歯並びの後戻りが早く起こったり、他の歯に負担がかかってしまったりすることもあります。
一本だけ矯正をしたい、部分矯正をしたいときには、メリット・デメリットを理解した上で、精密検査を受けることをおすすめします。
検査の結果と歯科医師とのカウンセリングであなたにとって一番良い治療を行いましょう。